全国美術館会議 東日本大震災復興支援事業

 

浅井元義は「消えゆく古い家並み」をライフワークとして描き続けている作家です。気の向くまま道端に座り画材を広げ、その場で仕上げるスタイルで30数年来、石巻、気仙沼をはじめとする三陸沿岸部や仙台、松島などの時の流れを感じさせる建物を描いてきました。

 

特に故郷・石巻への懐いは強く、1984年に変わりゆく姿を描き残そうと「古い家並み」シリーズに取り組み、その後も「通り・横丁・小路」、「川のある風景」など様々なテーマで多くのスケッチを描き続けています。そのうちの90点が石巻文化センターに収蔵されていました。

2011年３月１１日の東日本大震災により、浅井元義が描いてきた街と共に、スケッチ自体も津波被害に遇いましたが、全国美術館会議の文化財レスキューと復興支援事業により救出、修復が行われました。
三年半の歳月を経て甦ったスケッチを多くの皆様にご覧いただきたく、新しい文化施設を計画中の石巻市に先がけ、カメイ美術館で展覧会を開催しております。　併せて、気仙沼市の昭和初期のレトロな建物に魅せられ描いた「風待ち港の館たち」シリーズ(リアス・アーク美術館蔵)も展示しております。

浅井元義の石巻、気仙沼のスケッチは、震災前の街との記憶を繋ぐ郷愁と共に、特長である毅然とした線描が前を向く力を与えてくれます。

 

後援 ＝ 石巻市　石巻市教育委員会　(公社)宮城県芸術協会　河北新報社 　三陸河北新報社　石巻日日新聞社

TBC東北放送　仙台放送　ミヤギテレビ　KHB東日本放送　エフエム仙台

 

協力 ＝ 全国美術館会議

 

 

 

　【石巻・古い家並みシリーズ】　1984年　石巻文化センター 蔵

 

 

「異　人　館」　石巻市蛇田

 

 

「写　真　館」　石巻市八幡町

 

 

「汽　車　駅」　石巻市鋳銭場

 

 

「並　ぶ　倉」　石巻市門脇町

 

 

「石巻高校旧校舎」　石巻市大手町

 

 

【石巻・横　丁シリーズ】　1986年　石巻文化センター 蔵

 

「小野寺横丁」　石巻市立町

 

 

「和田横丁」　石巻市中央

 

 

【気仙沼・風待ち港の館たちシリーズ】　2003年　リアス・アーク美術館

 

「石造りの菓子店」　気仙沼市南町

 

 

「老舗の割烹 Ⅰ」  気仙沼市南町

 

 

浅井　元義(あさい もとよし)

1938年　　石巻市に生まれる。
1956年　　宮城県石巻高等学校卒業。
河北美術展初入選。以後22回入選、入賞４回。
画友５名と六起会結成。県連合美術展に参加。
1960年　　東北大学教育学部美術科卒業。教職に就く。
1964年～　宮城県芸術祭に参加。以後出品、入賞２回。
1981年～　石巻で「黄土展」結成。以後、毎年開催。
1995年　　宮城県石巻女子高等学校を最後に教職を退く。
2002年　　「浅井元義スケッチ展－仙台の古い家並みを描く－」開催(カメイ美術館)。
2007年　　宮城県芸術選奨受賞。
2009年　　宮城県教育文化功労賞受賞。
他　　個展開催多数、「石巻スケッチⅠ～Ⅶ」、「オイルパステル画入門書」出版。

 

現在　　　　河北美術展顧問　宮城県芸術協会運営委員　黄土展同人
河北TBCカルチャーセンター講師

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石巻の路上で制作中(1984年)

 

【関連イベント】

ギャラリートーク　　１０月２５日(土)　　午後２時より

＊予約不要、参加費は入館料のみです。